憲法 幸福追求権(2日目②)

憲法は条文と判例が中心な感じ・・・

憲法13条:すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

憲法には明文化されていないが、社会の変化に伴い、個人の人格的自律に不可欠といえるようになった権利→憲法上保障されるのか→保障される→保障の根拠規定:憲法13条(新しい人権)

インターネット検索結果削除請求事件(最判平29.1.31)

事案の概要:児童買春の容疑での逮捕歴のあるXが、検索事業者Yの検索結果として提供されるURLやXのことが書き込まれたWEBサイトの表題、抜粋(URL等情報)に、Xの氏名や逮捕歴の事実が記載されていることに対し、検索事業者Yを相手方として、検索結果の削除を求める仮処分命令の申立てをした事件。

争点:過去の逮捕歴のような個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となるのか。

結論:法的保護の対象となる。

判旨のポイント:検索事業者が、ある者に関する条件による検索の求めに応じ、その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたWEBサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは、当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので、その結果、当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、検索事業者に対し、当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができる。

江沢民講演会事件(最判平15.9.12)

事案の概要:私立大学が大学主催の講演会の参加者名簿を参加申込者本人に無断で警察に提供した行為がプライバシーの侵害にあたるのではないかが争われた事件。

争点:①大学主催の講演会に参加を申し込んだ学生の氏名、住所等の情報は、プライバシーに係る情報として法的保護の対象となるのか。  ②大学がその主催する講演会に参加を申し込んだ学生の氏名、住所等の情報を警察に開示した行為は不法行為を構成するのか。

結果:①個人情報もプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。  ②プライバシーを侵害するものとして不法行為を構成する。

判旨のポイント:大学が講演会の主催者として学生から参加者を募る際に収集した参加申込者の学籍番号、氏名、住所、電話番号に係る情報は、大学が個人識別等を行うための単純な情報であって、その限りにおいては秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない。しかし、このような個人情報についても、本人が、自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり、そのことへの期待は保護されるべきものであるから、本件個人情報は、参加申込者のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。大学が講演会の主催者として学生から参加者を募る際に収集した参加申込者の学籍番号、氏名、住所、電話番号に係る情報を参加申込者に無断で警察に開示した行為は、本件事実関係の下においては、参加申込者のプライバシーを侵害するものとして不法行為を構成する。

指紋押捺拒否訴訟(最判平7.12.15)

事案の概要:外国人が外国人登録原票等に指紋の押捺をしなかったため、外国人登録法に違反するとして起訴された事件。

争点:①指紋押捺を強制されない自由は、憲法13条で保障されるのか。  ②指紋押捺を強制されない自由は、在留外国人にも保障されるのか。

結論:①指紋押捺を強制されない自由は保障される。  ②指紋押捺を強制されない自由は、在留外国人にも保障される。

判旨のポイント:個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押捺を強制されない自由を有する。国家機関が正当な理由もなく指紋の押捺を強制することは憲法13条の趣旨に反して許されない。みだりに指紋の押捺を強制されない自由の保障は、在留外国人にも等しく及ぶ。

肖像権

警察官が公権力の行使として無断撮影をした行為は規制されるのか。肖像権(みだりにその容貌、姿態を撮影されない自由)は、憲法で明文規定はないが、人権として保障されているといえる。警察官による無断撮影行為の目的と方法を検討→合憲 肖像権も絶対無制約ではなく、公共の福祉による制約は受ける。

京都府学連事件(最大判昭44.12.24)

事案の概要:京都府学連主催のデモ行進において、行進の仕方が許可条件に反すると判断した警察官が、状況等の確認のためデモ隊を写真撮影したことに対して抗議して警察官に暴行を加えたXが起訴された事件。

争点:①みだりにその容貌、姿態を撮影されない自由は、憲法13条で保障されるのか。  ②警察官による写真撮影行為は、憲法13条に違反するのか。

結論:①みだりにその容貌、姿態を撮影されない自由も保障される。  ②本件写真撮影行為は憲法13条に違反しない。

判旨のポイント:個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしにみだりにその容貌、姿態を撮影されない自由を有する。そのため、警察官が正当な理由もなく個人の容貌、姿態を撮影することは憲法13条の趣旨に反し許されない。もっとも、その自由も絶対無制限に保護されるものではなく、公共の福祉のために相当の制限を受け、①現に犯罪が行われ、または行われたのち間がないと認められる場合であって、②証拠保全の必要性、緊急性があり、③撮影方法も一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行われる場合には、本人の同意がなく、裁判官の令状がなくても、警察官の写真撮影は許容される。また、警察官が写真撮影する際、その対象の中に違反者以外の第三者の容貌等が含まれていても、写真撮影行為が許容されなくなるわけではない。

自動速度監視装置事件(最判昭61.2.14)

事案の概要:Xは、法定速度を超えるスピードで自動車を走行中、自動速度監視装置によって写真撮影され、道路交通法違反で起訴された事件。

争点:自動速度監視装置による運転者の写真撮影行為は、憲法13条に違反するのか。

結論:本件写真撮影行為は憲法13条に違反しない。

判旨のポイント:速度違反車両の自動撮影を行う本件自動速度監視装置による運転者の容貌の写真撮影は、現に犯罪が行われている場合になされ、犯罪の性質、態様からいって緊急に証拠保全をする必要性があり、その方法も一般的に許容される限度を超えない相当なものであるから、憲法13条に違反しない。また、写真撮影の際、運転者の近くにいるため除外できない状況にある同乗者の容貌を撮影することになっても、憲法13条に違反しない。

身体への侵襲を受けない自由

性別変更違憲事件(最大決令5.10.25)

事案の概要:生物学的な性別は男性であるが心理的な性別は女性である者が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下、特例法という)3条1項の規定に基づき、性別の取扱いの変更の審判を申し立てた事件。

争点:特例法3条1項4号が、性別の取扱いの変更の審判の要件として「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」と規定していることは、憲法13条に違反するのか。

結論:特例法3条1項4号の規定は憲法13条に違反する。

判旨のポイント:自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由は、人格的生存に関わる重要な権利として、憲法13条によって保障されている。そして、特例法が、性同一性障害の者が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする要件は、その意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約し、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫る者であり、憲法13条に違反する。

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